2010年11月26日金曜日

ルーツ

母方のルーツは石川県だったらしいのですが、私の母は自らのルーツをあまり知らないようです。「わけあり」で北海道に渡った人たちは子孫に出自を伝えなかったのでしょう。それにしても不思議です。数世代前の先祖がどこにいたのかわからないのに、もっと昔の先祖の居場所がわかるのです。母親の母親の母親の母親の母親。五世代前の先祖にたどりつくのに百年さかのぼるとしましょう。

五十世代前の先祖は千年前。一万世代前のおばあちゃんは二十万年前に生きていたことになります。二十万年前と言えば人類進化のエポック、新人(ホモサピエンス)がアフリカで生まれたころです。

私のルーツはアフリカですなんていうと訝しがられるかもしれませんが、祖先のアフリカから日本列島へのはるかな旅を想像するのは愉快なことです。思考のものさしを長く伸ばしてみるのもたまには必要です。『コーヒータイム』 2006年.2月.12日号

追記

アフリカからの人類の旅について私が興味深く読んだのは、『人類の足跡10万年全史』(スティーヴン・オッペンハイマー著 草思社)、『5万年前-このとき人類の壮大な旅が始まった-』(ニコラス・ウェイド著 イースト・プレス)です。どちらも翻訳本です。

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