2015年12月25日金曜日

「五稜郭の戦い 蝦夷地の終焉」ってどういう本?

函館中央図書館からよく本を借りるのですが、読みたい本がたくさんあるため、勢い余って、私の読む能力を超えて、借りられる限度いっぱいの10冊が私の手元にあります。

もし、貸出期間の2週間で読み切れなければ、延長をかけることができる、そう思えば気が楽なのですが、私のあとに「予約」が入れば延長できず、2週間で予定通り返却しなければなりません。

したがって「予約」がある本を先に読むことが必要です。それがこの本、菊池勇夫著「五稜郭の戦い 蝦夷地の終焉」(吉川弘文館)です。図書館の本なのに新品、それもそのはず、2015年10月1日発行とあります。

いま、「プロローグ 持ち込まれた戦争」を読んだばっかりですが、プロローグには、「五稜郭の戦いを述べていくさいの、およその心構え」が書かれています。印象に残ったところ、おもしろいなとおもったところをつまみ食い的に引用します。

まず、五稜郭の戦い(箱館戦争)は「地域の権力や人びとが起こしたのではなく、外から持ち込まれた戦争」というのが何よりの特徴。「旧幕府軍がやってこなくれば住民が戦争に巻き込まれることはなかった」と。

2つめに、この本は「『賊徒』という見方はとらず」、つまり官軍史観からはなれて、「また、敗者に肩入れするというものでもなく、地域住民、民衆からの視点を大事にし、新政府軍と旧幕府軍との戦いとして、やや突き放した位置から述べたい」と言っています。つまり等距離ということです。

3つめに、五稜郭の戦いは、箱館だけではなく、道南だけでもなく、「津軽海峡を挟んだ地域の広がりのなかで捉えるという視座が必要」だそうです。

4つめに、榎本軍が清水谷(この人は新政府の箱館裁判所の総督とのこと)、を敗走させたあと、戦いのない期間が数カ月にせよ存在した」ので、蝦夷地政府の行政運営を示してみたい。どう地域社会に向き合ったかということですね。

さあ、はじまりはじまりです。

2 件のコメント:

  1. 菊地先生の本、面白そうですね。五稜郭の戦いは、宮城県の歴史とも密接に関係してます。仙台藩から脱走した額兵隊の参加、旧仙台藩士の降伏収監後にロシア正教への傾倒=旧仙台藩領でのロシア正教の興隆・・個人的には「フランス軍事顧問団」の存在が気になります・・でもまえがきからは期待無理かも

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  2. いま読み進めていますが、旧仙台藩の動きもしっかり書かれていますよ。フランス軍事顧問のこともです。

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